※これは、私個人の備忘録であり、アカリンダニを巡っての薬剤使用の有無に対し論ずる意思や意図はない事を先述する。
そもそも、ミツバチを想う気持ち・根本は同じであるから、飼育の仕方や考え方が違うからと言って言い争うのは無益でおかしい事である。
私には、薬剤を使う側にも使わない側にもそれぞれ、尊敬する方々がいる。
上記をお伝えした上で、以下をUPする。
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我が家の大事な日本ミツバチは家畜保健衛生所の検査結果、重度のアカリンダニ陽性だった。
今回、自身の持つたった1群がアカリンダニ感染だったのを知るにあたり、アカリンダニ感染とその疑いがある際は法律で届出義務である事を知った。
そして、その上で、行政への報告数(検挙数)がこのサイトでこんなにも騒がれているにも関わらず100以下との事実も知った。
家畜保健衛生所からの回答に対しては温かさを感じるもので、それは悲しむ私には希望の灯火の様だった。
回答やそれまでのやり取りから、行政も何らかの形で動かねばという流れが出ている…という印象を受けた。
この流れ・先の僅かな明るさは家畜保健衛生所への期待感は私だけでなく、趣味でも家業でも養蜂に携わる人々の支えになると思う。
先ずは、法律で定められた通り、アカリンダニ感染の疑い有れば届出を出し、統計として形に残す。この事は趣味でも家業でも、私達ミツバチと暮らす人間のマナーなのかもしれない。
そのマナーは、拙くとも、日本ミツバチ存続の近道の一つにならないだろうか。
今回を機に、私は家畜保健衛生所との繋がりを大事にしながら、行政との情報の共有と共に、そこから得た有益な情報があればこのサイトでUPしていこうと決意した。
出来る事からコツコツと。
千里の道も一歩から。
どんな形であれ、日本ミツバチを想い愛する気持ちは皆んな一緒な筈なのだから、一丸となってアカリンダニ感染の疑いや確信の際は届出をして行政に記録として形に残すことを私は推奨したいと思う。
笑われるかもしれない小さな一歩だ。
例え時間がかかろうとも、必ず報われると信じている。
ひょっとかすると、一つの届出が明日の行政介入に繋がるかもしれない。
ひょっとかすると、メントール使用認可が早まるかもしれない。
ひょっとかすると、日本ミツバチの選抜育種への取組へ拍車がかかるかもしれない。
今回、悲しい結果ではあったが、自身の実感や手応えとしての収穫は大きい。
やっと養蜂の入り口に立てたような気分だ。
ちょっと怖い。
でも、頑張る。
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日本ミツバチへの家畜保健衛生所の回答の一部抜粋
●予防や治療につきまして
アカリンダニ症の予防や治療に使用できる承認薬はございません。
ですので、試行錯誤しながら独自に予防等をしなくてはいけない、というのが現状です。アメリカなどでは、メントールがアカリンダニ対策薬として販売され承認もされたと聞いていますが、日本ではメントールは未だ未承認薬ですので、行政機関として使用しても良い、ということは言えません。申し訳ございません。
ただ、私達も蜜蜂に対して、病気なく元気に生活してほしいと考えています。
ですので、せめて情報提供はさせていただきます。
ご存じかもしれませんが、養蜂界では一般社団法人日本養蜂協会さんが有名で、蜜蜂の最新情報や様々なことが載っています。
行政機関として蜜蜂飼養者様に情報提供できるよう日々情報収集しておりますので、有益情報がございましたらご連絡させていただきます。
●発生情報について
アカリンダニ症は届出伝染病でして、届出の必要がございます。
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ミツバチに寄生するアカリンダニ(2015年発表の前田氏の論文)を要約
◯ミツバチに悪影響のダニは3種。
・ヘギイタダニ
・トゲダニ
・アカリンダニ
◯2010年〜2013年のアカリンダニ感染の公式報告数はわずか4件のみ。
◯アカリンダニ歴史…1904年のイギリスのワイト島で発生が確認。ミツバチにだけ感染し、気管に生息。西洋蜜蜂の90%死亡。
→1918年イギリス全土に蔓延→スイス、フランス、ドイツ、オーストリア、チェコスロバキアなどヨーロッパに拡大
→1951年南米アルゼンチンで、1959年チリで確認。
→1970年ブラジルで、1976年インドで確認。
→1982年メキシコで、1987年アメリカで確認。
→1994年イランで確認。
◯世界的に見ると、アカリンダニ感染でミツバチコロニーが減れば(群れが小さくなれば)、アカリンダニ感染検挙数も減っている。
◯日本でアカリンダニ寄生の報告が初めてあったのは2010年で、1988年まではアカリンダニはいなかったと考えられている。
◯2013年に野生(この場合の野生は飼育外の意)の日本ミツバチのコロニーにアカリンダニの寄生が確認。
◯飼育日本ミツバチコロニーにアカリンダニが寄生していた場合、2年以内には消滅している事から、高頻度で野生の日本ミツバチも消滅している可能性が大きい。
◯健全な日本ミツバチ群を用いての発症実験
・健全群と感染群を4m離して飼育→5ヶ月後に感染。
・健全群と感染群を100m離して飼育→7ヶ月後に感染。
この事から、少なくとも、100m以内では1年以内には水平移動でアカリンダニ感染になっている可能性が充分にある。
◯アカリンダニ非感染地帯…スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストラリア、ハワイ、ニュージーランド
◯ヘギイタダニが日本ミツバチにあまり感染しない背景として、東洋蜂のグルーミングが排除に役立っていると考えられる。
◯アカリンダニ感染を調べるのにお勧めな検査法…解剖検鏡検査(ピンセットと20倍のルーペを用いた検査)
◯ミツバチのコロニーの温度=35℃前後とされ、西洋蜜蜂を用いてコロニー温度を以下の条件で保った場合、アカリンダニ減少が確認された。
・コロニーを42℃に6時間保つ
・コロニーを39℃に2日間保つ
・コロニーを23℃以下に保つ
※私の疑問…東北などの寒冷地での蜂球の内部温度は何度なのか❓冬季でも23℃以上あるのか❓
◯黒色巣箱の方が、白色巣箱より高温になるので、アカリンダニ寄生率は低くなる。
※私の疑問…高温になればアカリンダニ蔓延抑制にはなるが、この場合、巣落ちや幼虫などに著しい影響は無いのだろうか❓
◯アカリンダニに有効と言われている植物性オイル
・ニームオイル
・キャノーラオイル
・オリーブ×ハッカ×月桂樹の三種混合オイル
しかし、デメリットとして「育児圏の減少」と「高い女王蜂消失率」がある。
◯ニホンハッカ…メントールを55〜58%含有。ミツバチに対して19%の毒性を示すがアカリンダニに効く。
◯ショートニングパテ…食用油脂のショートニング:砂糖=1:2で作ったものでアカリンダニに効く。
◯アカリンダニの移動の85%はミツバチの活動が低下する夜間に行われ、そこで接触感染・水平移動感染する。
◯ミツバチに於ける水平移動感染とは、感染蜂が属する群れと異なるコロニーに迷い込む事や、盗蜜などで起きる感染のこと。
◯西洋蜜蜂の実験では、アカリンダニ感染をしたコロニーから2km離れた健全なコロニーに対し、26ヶ月でアカリンダニ感染に至っている。
◯感染拡大の誘因
・分蜂(キャリアーの状態で増える場合)
・人為的移動(非感染地帯への汚染の可能性)
・人為的譲渡や販売(非感染地帯への汚染の可能性)
自然分散を超えた人の手を介したものが要因となり得る。
◯西洋蜜蜂はアカリンダニ耐性が1991年に獲得(アカリンダニ確認から約90年かかった)しているが、そのメカニズムは解明されていない。耐性を得る事が出来た背景には、西洋蜜蜂は選抜育種が行われている事が関与している。(日本ミツバチは選抜育種をしていない)
◯ミツバチ体外から出たアカリンダニは数時間で死亡。
◯アカリンダニは羽化後24時間以内の若いミツバチを選好する=羽化後4日目以降のミツバチは寄生されず寄生は稀。若いミツバチは特有の炭化水素を放つ為、その反応で選好性が生じている。
※私の疑問…外勤蜂は羽化後4日目以降にあたる筈だが、そう考えると、羽化後4日目以降の寄生は稀ではないのではないか❓
◯西洋蜜蜂では冬の寿命=約120日以上(春:約40日、夏:約55日、秋:約70日) 日本ミツバチでも同等程度と思われる。
◯西洋蜜蜂にはヘギイタダニ対策として、年2回の薬剤(アピバール、アピスタン)使用が推奨されている。
このアピバールが抗アカリンダニ作用があり。
◯アカリンダニ寄生が軽度であれば、育児圏の減少と貯蜜消費の増加のみに留まる。
◯アカリンダニの寄生率は、冬(花蜜が少なく気温も下がり蜂球を作る時期)増加し、夏(流蜜期)低下する。雄蜂への寄生率が高い。
◯アカリンダニ寄生の際の典型的な三大症状
・Kウィング…10%に見られ、後翅が閉じない。
・徘徊…巣箱周囲半径10m範囲で春〜秋に多い。
・冬期の群消滅…多くの貯蜜を残すのが特徴。蜜切れはない。
◯胸部第一気門からの気管がアカリンダニで閉塞すると、飛翔能力がダウン→冬季に蜂球を作っても発熱量が不十分で、コロニー生存に必要な温度を維持できない→群消滅。
◯冬季にアカリンダニ感染でミツバチの数が減る→冬季に蜂球を作っても発熱量が不十分で、コロニー生存に必要な温度を維持できない→群消滅。
◯女王蜂がアカリンダニに寄生された場合でも産卵は可能だが、この場合、貯蔵精子数が15%ダウンする。
◯アカリンダニ症は届出伝染病指定で、各管轄の家畜保健衛生所に連絡することが法律で義務化されている。by農林水産省。
◯アカリンダニの寄生を確実に診断し,データを国の公共検 査機関などを通じて集約・蓄積・公開することが,アカリンダニの分布地域を把握し、対策を円滑に行うために重要。
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♬中島みゆき…ファイト!
勝つか負けるかそれはわからない
それでもとにかく闘いの 出場通知を抱きしめて
あいつは海になりました
ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を 震えながらのぼってゆけ
薄情もんが田舎の町に
あと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も
住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにして
やっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき
ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を 震えながらのぼってゆけ
ああ 小魚たちの群れきらきらと
海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を 震えながらのぼってゆけ