千葉県の東に山武と言うところがありまして、かつてブランド木材である山武杉が産出された豊かな森があるところです。その市有林を任されて、人間と自然の理想的な在り方を模索しながら活動するWO-unと言う2人組、「空師/そらし」を生業とされているお二人と友達になって10年近くになるのですが、都会で暮らす人々に自然の真髄を教えてくれる森の先生です。若い人たちと共にイベントやワークショップ、コンサートなどを森で開催し、大きなムーブメントになっている。
私が尊敬するそんな彼らの拠点である森に巣箱を置かせてもらえることになりました。広大な森にはニレ、シナ、カツラ、ホウ、ユリノキ、サクラ、トチ、クリ、キリ・・・などが生い茂り、まさに楽園!!もうどこに置いてもすぐに入居しそうなところです。とりあえず3箱のハイブリッドを設置、無事3群の入居となりました。今年1年で管理の技術をお伝えし、集まってくる都会の人々とも一緒になって、ミツバチと森について共に学んで行きたいと思います。ゆくゆくは彼らに飼育を引き継いでもらいたいと思っています。私にとっては理想的なかたちです。
https://vimeo.com/147087231?embedded=true&source=video_title&owner=36433984
前置きが長くなりましたが、そこに入居した中の1群で事件が起きました。「花粉は運んでないけどこれ、多分入居だよね」などと巣箱の前で話していたら、ハイブリッドの巣門にコガタスズメバチがスルリと入って行きました。え!?と一瞬固まって、これヤバいよ、すぐ開けて見てみようと、まだ巣門箱も入れてなかったので、樹洞と重箱を外して持ち上げ、中を撮影してみたのです。
なんと、2段目の巣落ち棒に営巣を始めているではありませんか!
共存?いやまさかねぇ、、、はっちゃんたち怯えて隅っこに固まってます。熱殺蜂球ができるほどの数もいないしモチベーションも低いです。こんな時、私はどう判断すれば良いのか、一瞬迷いました。このまま放っておいたらどうなるだろう?おそらく逃去すると思いますが、オオスズメじゃなくてコガタです。案外楽しく同居して、、、?イヤイヤ、とりあえずミツバチの味方の立場を取らなくてはならない私としては、ハイブリッドの巣門にビスを打って狭くして、コガタ女王が入れなくしてあげると言う対処を選択しました。
ちなみにこの待ち箱は4月初旬に入居して、1週間ほどで逃去し、その群は2基目の待ち箱に入ったのですが、先日この古巣に別の小さな分蜂群が入居してきたと考えていますが、女王がいるかどうかもわかりませんので、今後注目して行きたいと思います。
それにしても、造巣が進んでコガタの徳利をミツバチの巣脾が飲み込んで行き、みんなで仲良く暮らしたら実に面白いだろうなと、あり得ない妄想をしてしまいます。